もろもろ帖

好き勝手

20220903 HEESEY SOLITARY TOUR 2022 やるっきゃNINE 仙台2部(夜の部)

開演SE:

That's The Way A Woman Is / Messengers

Have You Never Been Mellow / Olivia Newton-John

My Coo Ca Choo / Alvin Stardust

Running Free / Iron Maiden

Metal Guru / T. Rex

Rasputin / Boney M.

Runaway / Del Shannon

*暗転前1曲カット→終演SEに移動

(暗転)

Mr. Bass Man / Johnny Cymbal

 


(ベース弾き語り: やるっきゃNINEのテーマ *SAMBA No.9の替え歌)

ξ`∀´ξ 広瀬川を超えてやってきました仙台ー!ツアーが仙台から始まると、まるで「お前さん行ってこいよー!」って言ってもらうみたいで、いいツアーになるっていうジンクスになりつつあります。

 


ξ`∀´ξ 応えるっきゃNINE!

Q: 手が小さい人はベースやギターよりウクレレや子供用ギターをやったほうがよい?

ξ`∀´ξ これはよくある質問で、レッスンやってたときもよく聞かれたんだけど……おれも手が小さいんだよ、手のひらはまあふつうだけどその大きさに対して指が長くない。でもオレのベースは動く曲が多いから手が小さくてもやるっきゃない。むりやりやるしかないですねぇ、やっていればできるようになる。あとはお風呂でふんっ!!って広げてみたりとか。あと缶の筆箱に4・3・2・1弦と、本物のネックの横に並べてフレットを描いて、授業中に机の中でこっそり……ふんふんって日本史や世界史を聞きながら動かしてた。

オレは手が小さいけど、1から4フレットとかは余裕ですね。そういう運指はよくあるやつで、たとえばSUCK OF LIFEにも出てくる。(どの部分かわからなかったが実演) 運指って……たとえばアバンギャルドだとこう(見えなかったけどたぶんフレット間の動きが大きい運指)弾いてるところをこう(見えなかったけどたぶんフレット間の動きが小さい運指)弾いてもいいんですよ。でも、んー?ってなっちゃうな。普段弾いてないし。

ウクレレだとまたジャンルが変わってくるけど、最初に小さい楽器を逆にやらないでおくほうがいいと思う。せっかく覚えたのに覚え直しだ〜ってことになっちゃうから。あとは好きな曲をやるのが大事。オレは動くベースが好きになったから弾きたい!と思ってできるようになった。例えばわたしはアバンギャルドがやりたいわ!って思ったんならアバンギャルドを練習するとかね。

 


ξ`∀´ξ 質問とリクエストをいただいてたんですが、リクエストは不採用!……ごめんね、ごめんなさい!

Q: ベースならではの楽しさとは?

ξ`∀´ξ オレね、これ、最初はだまされて始めたんですよ。地元の奴らがバンドやるからって誘ってきたんだけど。たぶん皆で「(ヒソヒソ)あいつこう言えばぜってーやるから!」って言ってたと思う!(笑)

「ひろせ(*ヒーセじゃなかった)ジーンシモンズ好きだろ」「うんうん!」「じゃあさ、ジーンシモンズやっていいよ!」「やるやる!……で、ベースってなに?」最初はベースの音とギターの音の違いもわからなかった。というのも、当時はベースとギターが……(Detroit Rock Cityを弾く)全く同じっていう曲が多かった。でもいろいろ聴いていくうちに……(Rock And Roll All Niteを弾く)動きのある曲を見つけて聞き分けられるようになって、そういうのがいいなーと思って自分もそういうベースを弾くようになった。当時流行ってたハードロックとかヘビメタはユニゾンが多かったけど。質問に戻ると、ギターと別の動きができるっていうのがベースのおもしろさですね。初期のビートルズポール・マッカートニーとか、日本だとキャロルの矢沢さんとか好きだった。あと大人になってからファンクとか聴くようになって、そういうのもおもしろいなって。

 


Q: ベースで初めて弾けるようになった曲は?

ξ`∀´ξ これ、バンドで合わせて弾いた曲とバンドなしで弾いた曲と2つあって。バンドなしで初めて1曲通して弾けるようになったのは、キャロルのルイジアンナ。でも今思うとぜんぜん弾けてなかったね。

バンドで初めて合わせたのは、ビートルズのWhile My Guitar Gently Weeps。こういう曲(イントロのピアノを歌いながら弾く)これ口ピアノねッ!(鼻歌で歌いながら弾く)最初は1小節に1音なんだけど、展開してくると動き始める。バンドでやるとひとりで弾くのとは全然違うんだよね、ルイジアンナは全然弾けてなかったってこの時わかった。初めてバンドで合わせたときは感動した。そういう思い出もあって大好きな曲。当時ってギタリスト至上主義の時代で、ギターが一番エライ!ギターがやりたい曲をやる!それにベースとドラムとヴォーカルが付き合わされる、って感じで。この曲はビートルズだけどギターソロはエリッククラプトンが弾いてるんだって!おうおうすげーよな!やりたいよな!って、その頃の中学生は耳年増だからそういう情報だけ持ってて、それでこの曲やりたがったんだよ。

 


リクエスト: 夜うらら

(弾きながら控えめに歌う)

ξ`∀´ξ この曲ソロとTYOでキーが違ってて、今TYOのほう弾いたからオレ歌えないんだよ!この、なんというか中近東……いや違うな、不気味感が好き。あとオクターブ奏法のディスコっぽさね。

同じ人からのリクエスト: 愛されたい

ξ`∀´ξ 絶妙な選曲だね!

 


ξ`∀´ξ お叱りも受けるからあまり大きな声では言えないけどマスクでも楽しんでもらえるライブにできればと(うーん、マスクだとあまりライブが楽しめないと思うのか……)

 


ξ`∀´ξ 弾くっきゃNINE!

バンドがデビュー30周年ということでTHE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE(*英題で呼んでた)のリマスター・リミックスがリリースされまして、これを全曲解説しようと思います!全11曲だけどWalkin' In Sunshineはベースが入っていないから全10曲、これを1曲ずつやります。今日は初日、追加公演入る前は一本目だったのでそれにふさわしい曲をやりますよッ、Song For Night Snails!(客: 特大拍手)今までにありましたか!わたしがこの曲について語ったことが!ライブでもあんまり披露してなくて、あっファンクラブツアーで5年くらい前にやったけど。

このアルバムって10曲中に指弾きが……Song For Night Snails、Neurotic Celebration、不愉快な6番街へ、This Is For You、あと真珠色の5曲。だから半分が指弾きなんですね。これは珍しい。ベースの弾き方ってピック弾き、指弾き、あとこういう(実演)スラップとか……オレはあんまり上手くないからやらないけど。あとウッドベースだと弓を使ったり、いろいろあって。

この曲はアルバムを最初からガツンと始めるんじゃなくて、なんていうか、プロローグ?というか、ほのぼの?始める曲なんですよ。こんな風に始まって(イントロを弾く)歌が始まったら一度休みになって、ファルセットでね(ちょっと鼻歌)それでサビになるとまた入って(サビ以降を弾く)

この曲のベースの特徴は、8ビートじゃなくて16ビートっぽいところ。モータウンとか、昔のアメリカの音楽に多くて……当時はそういう感じを意識して作ったんだと思います。あとクイーン。この感じジョン・ディーコンさんっぽいでしょ?

(弾きながら)転調するよ!(「殻を破るStatus」の次の高音部分)ここ!ここ動くんだよ!!ライブでやると「今オレの番!オレの番!」って感じ!(笑)

 


ξ`∀´ξ 指弾きつながりでもう1曲。NAIという曲を。今回の資料はアルバムごとにファイルにしてたんだけど、アルバムに収録されていないシングル、のカップリングも大事な曲があって。たとえばJAMもアルバムに入ってないし……やっぱJAMにする?NAIとJAMどっちがいい?(客: 必死に意思表示)だよな!JAMはもう……いいよな!笑 ウソウソ。JAMは、えーっと、高松でやる!

(イントロ実演)こんな風に和音なんですよ。この和音は元ネタがあって、ルー・リードの曲のまね。そっちはウッドベースエレキベースを重ねてるんだけど。曲はなんだったかな、アルバムは覚えてるんだけど……「ワイルドサイド」、「ワイルドサイドを歩け」かな?たしかそうだと思う。

これさあ、オレ若い頃に聴いてなるほど!と思ってこの和音をもらったんだよ。そのときはウッドベースが入っているとかわかんなくてエレキベース1本でやってるのかとずっと思ってたんだけど、後になってこの曲が入ってるアルバムのドキュメンタリー映像が出て、それ見たら「ウッドベースを重ねている」って言ってて。だから元々まねしたつもりだったのに、結果的にオレのオリジナルになっちゃってラッキー?みたいなことになった。

(弾きながら)歌が入るとイントロよりも動きが出てくるんだけど、最後のほうで激しくなってくるとまた動かなくなる。動く・動かないの構成がうまくいったから気に入ってる曲。

 


ξ`∀´ξ もういっこ構成がうまくいった曲、ピック弾きだけどROLL ON YOU。テーマはマイナーコードのダンス、4つ打ちで踊れる感じ。そういう意味ではさっきの夜うららも仲間だし、33、ROXY CIRCUS、LOVE DRAGONもそう。

 


ξ`∀´ξ 歌うっきゃNINE!

ξ`∀´ξ 残り7分だけど、押しても大丈夫だよね?さっきは夜の部が控えてたけどこのあとはなんもないもんね?(その後、しっかり曲中でタイマーが鳴りました)

元々歌いながら弾くつもりだった曲です。

♪スーパーハイパーウルトラエクストラ

ξ`∀´ξ 天気を呼んじゃった(この日の夜は雨が降っていた)

♪雨音のララバイ

ξ`∀´ξ (雨音の〜最後に)和音入れたぞ!

いやー、ヒーちゃんがんばってるんだから!動くベース弾きながら歌うっていうのがずっとやりたかったことでライフワーク。

 


ξ`∀´ξ 本人がマルっと弾くっきゃNINE!せっかくなので立っていただければと……あっ強制はしてないよ!ただ盛り上がってほしいというか……いやそれはオレ次第だな

ξ`∀´ξ はいっ!(音楽かからない)ばらいろのひびッ!

♪バラ色の日々(新録)

ξ;`∀´ξ あかつきにー!はてるまでー!かなしき!えいじあん!ぼーい!(言い慣れてなくて照れ照れ&ヨレヨレ)

♪悲しきASIAN BOY

 


終演SE:

Cherry Baby / Starz

20220903 HEESEY SOLITARY TOUR 2022 やるっきゃNINE 仙台1部(昼の部)

開演SE:

That's The Way A Woman Is / Messengers

Have You Never Been Mellow / Olivia Newton-John

My Coo Ca Choo / Alvin Stardust

Running Free / Iron Maiden

Metal Guru / T. Rex

Rasputin / Boney M.

Runaway / Del Shannon

Cherry Baby / Starz

(2〜3分押して暗転)

Mr. Bass Man / Johnny Cymbal

 


(袖から出てくるもんだとばかり思ってみんなステージ脇に注目していたところ、客席背後から)

ξ`∀´ξ うしろうしろォ!!(でけえ声)

 


(ベース弾き語り: やるっきゃNINEのテーマ *SAMBA No.9の替え歌)

ξ`∀´ξ ♪HEESEYとWE☆SAYのイベントは 一期一会のカーニバル〜(中略)この日のために考えた悪だくみ〜♪(後略)

やるっきゃNINEのテーマでした!新曲です。決して替え歌じゃありませんッ。こうして弾き語りしてみると、芸をやる人って感じだね!ここまでで53分か、1本目だからオレもどのくらいのペースでやったらいいのかわかんないんだけど、楽しんで行ってください!

 


ξ`∀´ξ 応えるっきゃNINE!

正直、下世話な質問もこのやろっ!ていう質問もありました。答えられるかこのやろっ!ってね。その中から選ばれし民の質問にお答えします!この質問くれた人たちってみんなここにいるんだよね?でも、このご時世だから買ったけど来られなかった人もいるかな……。

 


ξ`∀´ξ 最初の質問は、会員番号****番!……ファンクラブイベントっぽくていいね!(笑)それかラジオ。****番、○○さんからの質問です!

Q: 今の気持ちを即興で弾いてください

(がんばっちゃうよ〜って感じの前向きな歌弾き語り)

でもさー、事前に目を通してるってことは考えてきちゃってるから即興じゃねんだよな。ということで

(なんかピンクパンサーみたいなフレーズ)

こんな感じでどうでしょう!悪いヤツが歩いてくるみたいな感じ。

 


Q: レコーディングとライブで楽器を変える基準は?

ξ`∀´ξ あ〜、例えばロザーナはレコーディングとライブのときの別のベースを使った〜とかね。あと同じロザーナでも、グレートフルスプーンフルツアーは4つのセットリストがあって、ライブの前半にやるときと後半にやるときで別〜とか。

レコーディングは完全に音重視。ライブは見た目も考えるし、全体の流れでも変わってくる。例えば2, 3, 4曲目をぶっ通しでやるけど、3曲目だけどうしても別の楽器使いたい!ってときは、思い切って全部そっちにしちゃう。どうしても譲れない曲に合わせる。

サンダーバードを今日は2本持ってきてるけど、今弾いてるのがボディのかたちがひっくり返ってるリバース。もう1本が、ひっくり返ってないノンリバースで、違う音が出る。(持ち替えてピックでちょっと弾く。リバースよりぼんやり丸みのある音のような気がした)リバースよりも指弾きに合う音が出せるので、ペダル(エフェクターのことペダルって言ってた)で指弾き用の音をつくっておいて……(指弾き実奏。再度リバースに持ち替え)

その他には最近の曲だとHorizonとか砂の塔はプレベだね。

 


リクエスト: TYOの曲やってください

ξ`∀´ξ バンドではBunched Birth入れて10枚、ソロで3枚出してるからそれだけでけっこうあるんだよね。だからDUDESとTYOは今回やらなくていいかなー?と思ってたんだけど、リクエストもらっちゃったので、TYO YEARSに入ってる曲はオッケーってことにします!ということでリクエストもらいました、FLY HIGH。(実演)

これライブでやったことないんだよなー。リズムがひっくり返る……歌とベースのリズムがずれるのをオレが勝手にそう言ってるんだけど、だから難しくて、たぶん歌いながらは弾けないと思う。(うにゃうにゃ歌いながら弾いてみる)……!?できるね!年末やります!

 


Q: イエローモンキー初期のダークで引いちゃうような曲ってどんな感じ?

ξ`∀´ξ これはエマちゃんが入ってすぐの時期のことだね。Bunched Birthに入ってるHANG ONTO YOURSELFとか(実演)、あと毛皮のコートのブルース(実演)これ本当はノンフレットでやるんだけどね。あとなんだっけ、あの〜アレアレ、PENITENT(実演)これもノンフレット。

当時はなんか毎回お客さん減ってってね?みたいな感じだったけど、今は引くよりもレア感が上回って喜んでもらえるね。

 


Q: ベースを買うときは一目惚れで買う?元々狙ってたのを買う?

ξ`∀´ξ ご存じだと思うんですけど楽器集めるのが好きで、特にヴィンテージが好き。古いやつは元々生産数が500本くらいな上に、状態のいいものとなるともっと少ない。数が少ないから楽器屋が連絡くれるんだよ。たぶん向こうも「ヒーセなら買うだろ!」って思ってると思うんだけど(笑) だから厳しい目で見てる!最近また買ったけど(笑)

あとはネットでデジマートってサイトをちょくちょく見に行ってて、Yahoo!ニュースと同じくらい見てる。あとYouTubeとかね。そのくらい見てる。

同じ楽器を好きな人たちからは「またヒーセがいっぱい買うから高くなるんだよ〜」って言われるけど、値上がりしてんのは今の情勢のせいだよ!

今日持ってきた楽器は、今弾いてるの(リバース)はオレのいっこ下だからエマちゃんと同い年、こっち(ノンリバース)は66年だからロビンと同じ。

 


(その他・応えるっきゃNINE中の一幕)

ξ`∀´ξ ちょっと失礼(後ろ向いて咳払い)

ξ`∀´ξ 水分補給していい?(ごくごく)ダミ声にもほどがある!

ξ`∀´ξ 「9月は誕生月です」えんぎがひーせー!誕生日おめでとう!

 


ξ`∀´ξ 弾くっきゃNINE!

何やろうかなーと思って最初のほうの曲からいろいろ見たんですよ(A3の資料ひらひら)。で、今年はデビューのほうの30周年ということでリミックスも発売されたファーストアルバム、11曲入りだけどWalkin' In Sunshineはベースがないので全10曲、をこのツアーで全曲解説しようと思います!このツアーのために選んだ59曲のうち10曲はこのアルバムの10曲です。ツアーは16ヶ所あるから6ヶ所はかぶっちゃうけど。

今回は1公演目にふさわしい曲をやりますよ、Romantist Taste!

この曲はシャッフルのリズムで……シャッフルとか3連とかブギーとかいろいろ言い方があるんだけど、シャッフルっていうのは、タタタ タタタ タタタ タタタ(3本の指を順番に折る)の真ん中を抜いて、タ タ タ タ タ タ タ タ(1・3で指を折る)っていうやつで……これ伝わってるかなあ?

ファーストに入ってる他の曲だと例えばNeurotic Celebrationとか(実演)……これはちょっと違うか、あとは不愉快な6番街へ(実演)、This Is For You(実演、鼻歌「Rainy day, silly boy」が主旋律じゃなくてコーラスだった)、それからBunched Birthに入ってるFairy Land(実演)、EXPERIENCE MOVIEの審美眼ブギ(実演)、あとフリージアの少年……あっ!せっかくだからこっちで弾こっ!(ノンリバースに持ち替え、実演) 他にもちょっと違って6/8拍子っていう変わったリズムなんだけど、空の青と本当の気持ちとか(実演、たぶん正確には12/8拍子)、あとソロだと〜……あっ紫の空もそうだね(ソロじゃない笑)。再集結後だとLove Homme(実演)。そうだ、ソロだとTHUNDER GATE SHUFFLE(実演)。ちょうど曲名にも入ってるでしょ?

オレ最近ちょうどシャッフルのモードみたいで、今回のSEも自分で選んだら自然とシャッフルばっかりになってた。

日本の踊りの音楽ってシャッフルが多いらしいよ。「えらいやっちゃ えらいやっちゃ」とか「らっせーらー らっせーらー」とかね(*かけ声これだったか記憶あやしい)。あとイギリスの民謡にも多い気がする。

で、Romantist Tasteは(頭から実演)イントロと歌が始まってからは同じリズムなんだけど、歌が入ると跳ねる感じになって……跳ねるというか、スタッカートっていって短く切ってる。

で、サビに入るとルート弾きになるんだけど……ギターソロのあとのサビはただのルート弾きじゃなくて動くんだよ!(実演) 同じコード進行の部分でもベースは違うことがあるんだよね。

 


ξ`∀´ξ どう?こんな感じで楽しめてる?(客: 拍手がんばる)よかった、そしたら次回も……またやるんかい!(笑) 来年は相応の年齢になりますんで(笑)

 


ξ`∀´ξ 歌うっきゃNINE!

♪ Mr. JESTER

♪ オンリーワンラヴソング(の最後のブレイクでちょうどタイマーが鳴る)

ξ`∀´ξ (鳴ってます……けれども!!みたいな顔して無言で止め、完奏)

 


(アンコール)

ξ`∀´ξ いやー60分やった!仙台でこれやったとか言わないでよー?

ξ`∀´ξ 本人がマルっと弾くっきゃNINE!

ξ`∀´ξ Welcome! To My Doghouse

♪Welcome To My Doghouse

(スタジオ音源。コーラス等はなし。曲終わり、即座に)せんきゅー!

なんかハウってるよね?PAかアンプかな?PA一度切ってもらって……(切るもハウり続ける)アンプでしたー(笑)

♪楽園

(再録音源。今思うと犬小屋も再録だったのかもしれない)

 


終演SE:

Lola / The Kinks

セトリを並べる

30th anniversary DOME TOURの全セトリが明らかになった。

 

こうなったらもう並べるしかない。

というわけで、30th anniversary DOME TOURの開催された2公演・中止となった2公演、追加開催となった30th anniversary LIVEの4公演、計8公演のセトリを一覧にした。線が引いてあるのは長めの暗転やMCが挟まれた箇所、二重線は本編とアンコールの境目である。

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並べるだけで浮かび上がってくるものがあるような気がする。これ全部青木さんの采配なのか?メンバーの意図も入っているとうれしい(青木さんに委ねることがメンバーの意思である場合を含む)。

まずもって曲数がきっちり揃えられていることがわかる。ドームツアーは本編23曲+アンコール4曲で計27曲。ただし4月5日の東京ドーム公演のみ本編とアンコールの比率が異なり、本編22曲+アンコール5曲。追加公演は本編17曲+アンコール4曲で計21曲。ただし11月3日の東京ドーム公演のみ本編21曲+アンコール4曲で計25曲と、ツアーと特別公演との間をとる曲数となっている。

もしかすると11月3日の東京ドーム公演は、ドームツアーと追加公演のどちらにも属せず、それでいてどちらにも属しており、完遂できなかったツアーの未練を昇華しつつここから始まる新たな公演へと橋を架ける役割を担っていたのかもしれない。

まだ曲数の話しかしていないうちから想像力を働かせすぎてしまった。ここからはドームツアーと追加公演に分けて、それぞれの曲目を見てみる。

1 30th anniversary DOME TOUR

まずはドームツアー分のセトリから、シーズン2の終幕が元々はどのようなかたちでデザインされていたのかを探る。

ツアー中の演奏回数ごとに曲名セルを色分けした。4公演のうちその公演でのみ披露された(されるはずだった)場合は白、2回披露なら淡い灰色、3回以上は濃い灰色で、全公演での演奏が予定されていた曲は曲名自体が太字になっている。

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1.1 ツアー全体の骨組み(3~4回披露の曲)

3公演以上で演奏予定だった曲に注目すると、4つの異なるセットリストはおおよその骨組みがあったうえで組まれていることがわかる。3曲やってBalloon Balloon、2曲と重めの1曲を経てセンターステージに移動し、2曲挟んでFoxy Blue LoveSLEEPLESS IMAGINATION、さらに2曲と盛り上がる1曲ののちにJAM、フロントに戻ってDANDAN、アップテンポな1曲からの天道虫、さらにたたみかける1曲。あとはまちまちだが、SUCK OF LIFEを本編中、悲しきASIAN BOYをアンコールで披露していることは共通している。

その曲が全公演に組み込まれているからといって必ずしも「骨組み」の中の決まった箇所で披露されるとは限らない。SPARKの扱いはかなりおもしろくて、19年12月28日のナゴヤドーム公演と4月4日の東京ドーム公演では序盤の起爆剤、2月11日の京セラドーム大阪公演ではクライマックスとして配置されている。そして4月5日の東京ドーム公演ではなんとセンターステージで演奏される予定だったが、ロビンはあの箱庭みたいに小さな島で寝っ転がるはずだったのだろうか。

1.2 各公演の毛色(1~2回披露の曲)

続いて、ドームツアー中の披露回数が少ない、つまりその公演のカラーをつくる曲を公演ごとに見ていく。

具体的な曲名を挙げる前に、その公演1回のみの披露・他の3公演のうちの1つとその公演の2回披露の曲数を比較する。次の図は「縦の公演と横の公演の2回のみ披露だった曲」の数である。ただし、同じ公演がぶつかる欄には「その公演1回のみで披露された曲」の数を入れてある。

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19年12月28日のナゴヤドーム公演は、この日のためだけに用意された曲が6曲と比較的少ない。のちの3公演でも披露する予定だった曲は計8曲あり、このツアーの布石となる公演だった可能性が考えられる。2月11日の京セラドーム大阪公演はバランス型だといえる。この日独自の曲は9曲、ほかの公演と共通の曲もすべての公演からほぼ同数ずつ引っ張ってきている。 4月4日の東京ドーム公演は、この日にしか披露されないはずだった曲が11曲と最も多い。4月5日の東京ドーム公演は京セラドーム大阪公演と近いバランスだが、ツアー初日であるナゴヤドーム公演と共通する曲がやや多く、4曲ある。

なお、東京ドーム2公演では、その2公演でのみ披露予定だった曲、すなわち「骨組み」と定番曲以外で共通する曲がない。ツーデイズ参加者がより多くの曲を聴けるように構成してくれたのだと思う。あるいは、メンバーが短期間により多くの曲の演奏を楽しめるように、なのかもしれないが。

改めて各公演に特徴的な曲を確認する。演奏回数ごとに色分けした表を再掲する。

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1.2.1 19年12月28日 ナゴヤドーム

19年12月28日のナゴヤドーム公演は、シーズン2最後の12月28日になるはずだったことが念頭に置かれていたと思われる。

この日のみ披露の曲に着目してみると実はメカラ ウロコ・7っぽい。BURN以外の5曲はすべてメカラ7と共通する曲目である。ただし、曲順自体はまったく異なるため、メカラ7をなぞったというよりはメカラ7に近い気持ちで選曲を行ったと考える方が妥当だろう。

4公演のうち最もジャガー収録曲・ジャガー関連曲が多かったのがこの公演である。この日の本編はSECOND CRYで始まり、すぐにROCK STARへと生まれ変わって、シルクスカーフに帽子のマダムで終わった。

"I"とシルクスカーフは再集結後初披露であった。

年末なので「これをやらないと、年は越せないよね~♪」のアバンギャルドで行こうよは当然外せない。

この日のバラ色の日々はイントロのMCとシンガロングがなく、いきなり「ビューティフォー!」で始まるめったにないパターンだった。この公演の印象としてテンポのよさやキレのよさを感じたのは、Balloon Balloonのアウトロをピタッと切ってそのまま「Let’s go」とA HENな飴玉が始まったこと、そしてこのバラ色のアレンジによるものだと思う。

1.2.2 2月11日 京セラドーム大阪

2月11日の京セラドーム大阪公演は、隠れた人気曲が多く通好みな印象だ。MOONLIGHT DRIVEはその最たる例である。

カナリヤBRILLIANT WORLDはSUPER JAPAN TOUR 2016以来の披露である。ただ、これらが演奏されたことの意味はどちらかというと別のところにあるように思われる。この2曲とSweet & Sweetはメカラ ウロコ・8でも演奏されているのである。なにしろ、この会場での公演は「メカラ8の映像化されなかったほう」以来なのだ。

さらに、本人が語った通り、(本人の生演奏ではないためセトリには含まれていないが)見てないようで見てるで登場し、Romantist Taste楽園で開幕するオープニングはTOUR'97 ~紫の炎~のまんまである。

未来はみないでの生演奏はこの日が初めてであった。新曲を一番最後に持ってくるのは往年のメカラ恒例だった。

 1.2.3 4月4日 東京ドーム

4月4日の東京ドーム公演は、京セラドーム大阪公演よりもさらにマニアックかもしれない。そして回るジェットコースターのようにおれたちの情緒を振り回す……。

まず、何はなくともメロメ。メカラ8のトラウマ曲が再集結後初披露である。この日に流れる予定だったPENITENTの映像から推測するに、合唱団を迎えて披露する予定だったと思われる。

この公演でのみ披露されるはずだった天国旅行は、ほかの3公演での球根の位置に収まっている。まさかこの2曲がツーデイズでのセトリ入れ替えになるとは。球根の映像演出における赤く燃える糸は、ロビンのギターでもほとばしるはずだったのだろうか(個人的には同じ演出だとしても青とかに色が変わっていたらいいなと思う)。

ドームツアーの中でFoxy Blue LoveSLEEPLESS IMAGINATIONの前に審美眼ブギが入るのもこの日だけである。この3曲のシークエンスはかなりクラシックで、追憶の銀幕の頃にはすでに存在していたものだ。

また、パンチドランカー天道虫"I"の流れはナゴヤドーム公演と共通である。

ほかの3公演では悲しきASIAN BOYの前に演奏されるALRIGHTが唯一セトリ入りしておらず、その位置にはRomantist Tasteが入っている。この2曲はJAGUAR HARD PAIN FINAL TOUR'94 "I Shall Return!"で連続していた前例がある。

WELCOME TO MY DOGHOUSEはこれまでの東京ドーム公演で欠かさず披露されてきた曲だ。メカラ8では一番最後に、SUPER BIG EGG 2017では一番初めに演奏されたが、この日はメカラ8と同じく一番最後であった。

1.2.4 4月5日 東京ドーム

4月5日の東京ドーム公演はシーズン2の締めくくりとなるはずだった。前日ほどチャレンジングではなく、広いドームに詰め込まれた一見さん、マニア、関係者やメディアまで各方面を納得させるオールラウンドな曲目だったと思う。

真珠色の革命時代Subjective Late Showは、メカラ7のアンコール冒頭をこの公演の冒頭にそのまま持ってきたかたちだといえる。この2曲に加えて、新録アレンジの追憶のマーメイドを生のストリングスと披露する予定だったようだ。

FAIRY LANDでメカラ7路線を推し進めるかと思いきや、花吹雪HOTEL宇宙船といった熟れ熟れ(本人談)な曲、熱帯夜SPARKのような「売れそ~!!(本人談)」な曲でバランスがとられている。

SUCK OF LIFEHorizonFatherの流れはナゴヤドーム公演と一致している。

12月28日でもないのにアバンギャルドで行こうよをやるつもりだったとは。年越し前最後のライブが4月5日となる予定だったのだと思うと、この曲を聴けることはうれしいはずなのに胸が重くなる。

また、アバンギャルドからバラ色の日々ALRIGHT悲しきASIAN BOYと続くのもナゴヤドーム公演と共通である。この日のバラ色は、公式ツイッターの発表では「MC~バラ色の日々」と表記されているが、ドーム作品のW購入特典であったリハーサル音源ではナゴヤドーム公演と同様に「ビューティフォー!」から始まっていた。

そして、プライマル。をシーズン2のラストに持ってこようとしていたところが本当にもう……。ご存知、この曲は活動休止・解散の置き土産となったシングルであり、初披露は再集結して初めてのライブの1曲目としてだった。この曲をこの場所に配置することは、シーズン1の「終わり」のやりなおしであり、シーズン2の「始まり」へと循環するための最後のワンピースでもある。

2 30th anniversary LIVE

続いては、ドームツアーのセトリをふまえて追加公演のセトリを再確認し、ドームツアーと追加公演がどのようにつながっていたのか、またシーズン2のエンディングがどのようにつくりかえられたのかを考える。

2.1 ドームツアーの「骨組み」

ドームツアーの「骨組み」の点から追加公演のセトリを検討する。

次の表では、追加公演のセトリのうちドームツアーで3回以上披露される予定だった曲を灰色で示した。

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灰色で示した曲数を数えると、11月3日の東京ドーム公演が11曲、11月7日の横浜アリーナ公演が4曲、12月7日の代々木第一体育館公演が8曲、20年12月28日の日本武道館公演が6曲とややばらつきがある。

ドームツアーの「骨組み」が残っているのは東京ドーム公演だけだと言ってよさそうだ。追加公演の中で唯一のドーム会場であり、センターステージが用意できたことによるものだろう。間に挟まる曲数こそ削られているものの、流れ自体はほとんど一致している。Balloon Balloon、映像演出を伴う球根、センターステージでのFoxy Blue LoveSLEEPLESS IMAGINATIONJAM天道虫がドームツアーと同様の順番で披露された。また、ドームツアー4公演中3公演でみられたALRIGHT悲しきASIAN BOYのシークエンスもセトリに組み込まれている。「骨組み」に含まれながらこの公演で演奏されなかった曲はDANDANのみであろう。

そのDANDANが唯一披露されたのが日本武道館公演である。ただし、披露された流れは「骨組み」とは異なりライブ冒頭であった。ドームツアーの平均的なセトリと同じ位置で演奏されたのはFoxy Blue LoveSLEEPLESS IMAGINATIONのみである。

残る2公演、横浜アリーナ公演と代々木第一体育館公演では「骨組み」と一致する部分が一切みられなかった。両公演に共通するのは、これらの曲がセトリの後半に固まっていることである。ツアーの「骨組み」となった曲というよりは定番曲やヒット曲によって、特定のコンセプトに沿った前半とのバランスをとっているような印象だ。

2.2 生まれ変わった2公演

ドームツアーで演奏されるはずだった曲のうち、中止となった公演のためだけに用意されていた曲はどうなってしまったのだろうか。

次の図では、中止となった東京ドーム2公演から追加公演に振り分けられたと思われる曲を示す(注・他の項目よりもやや主観強めです)。中止公演1日目の曲とそこからの流用曲は水色、同じく2日目の曲とそこからの流用曲は紫色で表した。

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中止2公演のセトリである左の2列は、7割ほどに色を塗ることができた。これらの曲の多くは追加公演の東京ドーム公演と日本武道館公演へと生まれ変わったようである。

中止となった公演のセトリがどのように追加公演のピースとなったのか、それぞれ見てみる。

2.2.1 4月4日 東京ドーム

この日のオープニングを飾るはずだったメロメは、11月3日の東京ドーム公演で第二部オープニングに生まれ変わった。

3曲目のChelsea Girlは20年12月28日の日本武道館公演で同じく3曲目の演奏となった。また、VERMILION HANDSは同じく日本武道館公演の序盤に位置している。

O.K.天国旅行、また甘い経験は11月7日の横浜アリーナ公演のコンセプト「過去の横アリ公演での演奏曲」に合致しており、いずれもそこで披露された。

Changes Far Away、そこからの審美眼ブギFoxy Blue LoveSLEEPLESS IMAGINATIONは、そのまま4曲まとめて日本武道館公演で再現された。

本編中盤のLove Communicationは東京ドーム公演の本編後半、盛り上がる場所に移されている。

"I"バラ色の日々の2曲がシークエンスだといえるのかは定かではないが、日本武道館公演にそのまま引き継がれた。

本編ラストの空の青と本当の気持ちは12月7日の代々木第一体育館公演で"エマスペシャル"のラストを飾ることとなった。

アンコール1曲目の楽園は東京ドーム公演の同じ位置に、2~4曲目のRomantist Taste悲しきASIAN BOYWELCOME TO MY DOGHOUSE日本武道館公演の同じ位置にそのまま移動している。

4月4日のみ披露予定だった曲は以上ですべて網羅できた。残りはほとんどが「骨組み」の曲だが、19年12月28日のナゴヤドーム公演とこの日に披露予定だったI don't knowは追加公演で披露されることがなかった。また、パンチドランカーは東京ドーム公演と横浜アリーナ公演の2回に演奏機会が増えている。

2.2.2 4月5日 東京ドーム

この日のオープニング3曲のうち、真珠色の革命時代追憶のマーメイドは東京ドーム公演のオープニングとなった。2曲目のSubjective Late Show日本武道館公演の同じく2曲目を飾った。

この日のみ披露予定だったTacticsは東京ドーム公演と日本武道館公演の両方で演奏されることとなったが、日本武道館公演ではFAIRY LANDからTacticsまでの2曲、東京ドーム公演ではTacticsから球根花吹雪Four SeasonsFoxy Blue LoveSLEEPLESS IMAGINATION熱帯夜までの7曲がこの公演のセトリからそのまま演奏された。

HOTEL宇宙船横浜アリーナでの披露に落ち着いた形となる。

Horizonはすでにナゴヤドーム公演でも披露されていたが、"エマスペシャル"の代々木第一体育館公演で改めて披露された。

Father未来はみないで、アンコールを挟んでのアバンギャルドで行こうよの流れは日本武道館公演の同じ位置に、またラスト3曲のALRIGHT悲しきASIAN BOYプライマル。は東京ドーム公演の同じ位置に移動している。

残るは「骨組み」曲とパールのみである。パールは4月5日のみ披露予定だったが、東京ドーム公演と横浜アリーナ公演の2回に演奏機会が増えている。

2.3 追加4公演の再構成

以上を踏まえて追加公演それぞれのセトリを簡単に振り返る。4公演のセトリを再掲する。

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2.3.1 11月3日 東京ドーム

先に述べたように、追加公演のうち唯一ドームツアーの骨組みが残る公演である。

中止となった2公演のうち4月5日のセトリと共通する曲目が多く、特にオープニングとエンディングはそのまま流用されている。シーズン2のラスト(となるはずだった)公演を追加公演の1本目で昇華しておくことで、残る3公演はあくまでも好きにやればいいボーナスステージなのだという感じがしてくる。

ただし、メロメだけはどうしても東京ドームという会場で禁を解きたかったのではないか。

2.3.2 11月7日 横浜アリーナ

この日のコンセプトは過去に横アリでの公演が映像化されたツアー、FIX THE SICKS・PUNCH DRUNKARD TOUR・SPRING TOURの再構成であろう。中止公演から流用された曲も、定番曲も、このコンセプトの範疇に収まっている。

ドームツアーの延長という色は薄く、完全に独立した特別公演だといえる。

2.3.3 12月7日 代々木第一体育館

前半はエマ曲をHorizon以外全曲ノンストップで演奏する公式お誕生日会であった。この会場から始まったSUPER JAPAN TOUR 2016の演出を挟んで、後半は同ツアーを想起させる定番曲がこれでもかと繰り広げられた。エマ曲でもある空の青と本当の気持ちから映像演出を挟んでALRIGHTSPARKという3曲の流れ、そしてラストのJAMがSUPER JAPAN TOUR 2016のセトリと一致している。

こちらもドームツアーの延長というよりかは特別公演である。

2.3.4 12月28日 日本武道館

11月3日の東京ドーム公演と対になるような、比較的4月4日と共通する部分が多いセトリである。

特筆すべきは曲目の発表時期に大きな偏りがある点だ。21曲のうちPENITENTとBunched Birth収録曲を合わせると4曲、かたつむり収録曲も4曲、EXPERIENCE MOVIE収録曲も4曲とここまででセトリの半分以上を初期の楽曲が占めていることがわかる。初期曲は初期曲でもメカラの場合はジャガー収録曲の印象が強いが、今回は悲しきASIAN BOY1曲のみである。smileも1曲、FOUR SEASONSは2曲、8が1曲、再集結後が4曲で、なんとSICKSとPUNCH DRUNKARD収録曲は1曲も含まれていない。いわゆる黄金期とされる時期の曲を演奏せずにシーズン2を終わらせたのだ。

3 総括

もともとのシーズン2は、荒療治のセラピーみたいな4月4日、そして全方面に受け入れられたであろう4月5日の2本の東京ドーム公演で締めくくられるはずだった。しかし、最終的には「ドームクラスのイエモン」ではなく武道館の野良犬としての幕引きとなった。中止となった2公演で聴けるはずだった曲は追加公演の中で余すことなく披露された。

彼らは11月3日のプライマル。でドームツアーを一区切りさせたあと、3公演ものアンコールに応えてくれた。それによって、「みんな」と「わたしだけ」のそれぞれに向けられた2つのエンディングを両方みせてくれたのだ。

オーディオが鳴った日

オーディオ機器を譲り受けた。わたしにはオーディオがわからぬ。しかし好きな音楽を良い音で聴いてみたいという欲はあって、ヘッドホンを変えたら良くなるかしら?いやそれよりもiPodをやめたら良いのかしら?とインターネット上を徘徊したのが半年前。オーディオがプレーヤー・アンプ・スピーカーから成るということを把握したのもそのときである。知識はまったくペーペーだが、凝りはじめたら止まらなくなりそうであるということはわかった。しかしわたしは稼ぎが少ない。結局何を買うわけでもなく時は流れた。

そんな中、つい先日幸運にもかなり立派なオーディオのおさがりをいただいてしまった。会ったこともない方から。
わたしにはオーディオに明るい知人がいない。あまりに初心者すぎて専門店に行く勇気も出ない。インターネットだけが頼みの綱である。機械の型番を検索窓に打ち込む。いただいたモノがツイーター・ウーハー(高音と低音で分かれたスピーカー)、それらをセットしたスピーカーボックス(手作り)、プリメインアンプ(重量19キロ)、アンプとスピーカーをつなぐケーブル(こういうのがありがたすぎる)、AVレシーバー(たぶんすぐには使わない)であることが判明した。あとは再生機器があればよい。あればよい…………のだが、どうしたものか。
ほんの数日前までわたしの部屋にはレコードプレーヤーがあった。10年前の初売りで母が買ってきた激安コンポである。中学生にもわかるほど音がしょぼいながらも我が家で唯一レコードが聴けるアイツを大切にしてきたつもりだったのだが、ちょうどオーディオが我が家に来る直前にアームの先がポッキリ逝ってしまった。
CDはラジカセで聴いていた。わりと臨場感のある音がするものの、20年選手の彼も逝き(イカれ)つつあった。ボタンを押したときどんな機能が使えるかは完全にランダムだし、最近はしょっちゅう音が飛ぶ。スピーカーが片側だけついたり消えたりもする。なによりアンプに繋ぐためのケーブルが使えないので、彼にはゆっくり老後を過ごしてもらうことにする。
そういうわけで新規購入である。持ち前の行動力(と財力)の無さで、オーディオには埃がうすく積もりはじめた。

春の嵐が吹き荒れるある日、猛烈にある音楽が頭から離れなくなって、それをこのでかい機械を使って聴いてみたいという衝動にかられた。わたしは思い出してしまったのだ。CDはDVDプレーヤーでも再生できるということを。
ウェルカムバックわたしの行動力。録画機器をいっしょうけんめいオーディオの近くに引きよせて、テレビから引っこ抜いたケーブルの赤白黄色の端子をアンプに差し込む。役者は揃った……!
ここで初めてアンプの正面のかずかずのツマミをまじまじと見た。電源を入れて、インプットをCDに合わせて、スピーカーをスイッチしたら音が鳴る。トーンはひとまずいじらない。音量は……一番大きなダイヤルに目星をつけて、そのそばの英単語がわからなかったのでグーグル先生に訊く。ATTENUATOR: 減衰器……単位はデシベル……これで合っているらしい。爆音だけが怖いのでツマミを端のほうまで回す。
いざ!!!!

 

 

いやはや爆音でテレビショッピングの音声を聞いたのは初めてだった。音が大きすぎると何を言っているんだかわからないということがわかった。減衰器というからには、その値が大きくなればなるほどより強く減衰する(音が小さくなる)のである。あろうことか、わたしはそのことに思い至らなかった……。
テレビとプレーヤーはHDMIケーブルで繋がっていたためテレビの音声がスピーカーまで流れてきた、ということにも後から気が付いた。
さて、今度こそ。

 

今度こそ!音楽が流れた……!

流れはしたものの多少しっくり来なかったのでスピーカーの位置を調整したり少し内側に向けたりしていると、先ほどの爆音事件でうっかりツイーターのレベルをいじってしまい左右非対称になっていたことに気付く。
スピーカーの正面に戻って聴いてみると、お、音が!!空間から聴こえる……!!!!
スピーカーとスピーカーの間には物を置いておらず、後ろには20センチほどあけて壁がある。この真ん中の何もない空間から音が発生しているように感じるのだ!左右のスピーカーから同じ音量で聴こえる音が真ん中にあるのはもちろんのこと、左右の端から聴こえる音もスピーカーボックスの表面から発せられているというよりはその少し奥で鳴っているように聴こえる。スピーカーから音が出ているのではなく、スピーカーを置くことでそこに場が生まれているような、そんな感覚をおぼえる。空間から音が聴こえる、だから何なのか?というと、これは無が爆発して有が生まれるビックバンなのである!!!!たぶん!!!!
自分でもなぜかはわからないが、とにかく空間で音が鳴ることには興奮した。

音が宙に浮かんでいる感覚は、スピーカーの正面にいないとわからない。背筋の伸ばしかたや顔を向ける角度の微妙な違いで、耳に入ってくる音は変わる。もうここから動けない。それだけの拘束能力が、音楽にはあった。もう音楽をBGMになんてできない。人をダメにするクッションを買って、このまま音とクッションに埋もれてダメになってしまいたい。でもダメにならなかったのでわたしはえらい(クッションを持っていないからという説もある)。

60年代から00年代まで、ロックからクラシックまで、かいつまんで聴いてみた。大きな機械で鳴らすことでこれまで潰れていた部分が見える大きさになったような、特に音数の少ない部分や小さい音、曲の最後に消えていく音の、輪郭のぎざぎざだとか質感が高解像度になったような気がした。
モノラルはステレオほど顔の角度に神経質にならなくても違和感が少なく、リラックスできると感じた。
それからリマスター盤と原盤の聴き比べもしてみたが、現時点では音量が違うことくらいしか感じなかった。ただ、今日はまだ入り口に立っただけだったのに、ミックスだとかマスタリングだとか、プレイ以外のかたちでこのCDを作ってくれた人たちのことを今までよりも明らかに意識するようになった。

とにかく、聴こえていなかった(ことに今までは気付いてすらいなかった)ものが聴こえて、見えなかったものが見えた。オーディオ、おそろしい子。

はやりもの回顧

学校で流行ったものや友人に教わった文化を思い出せるだけ思い出してみる。

 

 

 

幼稚園:「においだま」

わたしの周りの子はにおいだまと呼んでいた記憶があるが、おそらく香り玉というのが一般的な呼び名である。幼稚園児には「におい」と「香り」のことばが持つニュアンスがわからなかった。

 

幼稚園:「地上の星

幼稚園において、歌はクラス内で歌っている子が1人いると瞬く間に蔓延する。

 

幼稚園:「大きいトイレ」

園児用の小さいトイレが並ぶ中に1つだけある大人用の個室に複数人で入る。本来の目的で使用した記憶はない。

 

小学校低学年:「たまごっち」

「帰ってきた!たまごっちプラス」や「ケータイたまごっち」の世代である。通信でおやじっちが作れるのは兄弟姉妹がいて複数台持ちの家くらい。

 

小学校低学年:「プニュグリップ」

暇さえあればプニュプニュ。筆箱に入れておくと鉛筆の芯で汚れてすぐに真っ黒になる。左利き用は少し遅れて登場した。

 

小学校低学年:「消帽子」

紅白帽と頭の間にフェイスタオルを挟んで耳の上から垂らす消防士スタイル。物珍しいことはとりあえず一度試してみたい。紅白帽ウルトラマンの知恵がつくのはもう少し後である。

 

小学校低学年:「りんごりんごバナナ 牛乳 牛乳 ごまみそつけて チョコレート」

何らかの替え歌。インターネットによると「草競馬」という歌が原曲らしいが、わたしが知っているこの曲と似ているようであまり似ていない。全国的に伝播する途中でメロディも変わったのかもしれない。「ごまみそつけて」に関しては、日本語ですらリスニングが苦手なわたしが歌詞を聞き取れなかったため友人に尋ねて教えてもらったのだが、こう歌っているように聞こえたことは一度もない。

 

小学校中学年:「カドケシ

当時の(町内の店で手に入った)カラーバリエーションは白・青・ピンクくらいで、白を使っていた子は少なかったような気がする。

 

小学校中学年:「グゥグゥググゥグゥグゥググゥグゥグゥグゥググゥグゥ、コーッ」

一部の女の子も芸人のネタを真似するようになったのはおそらくここが初めてだったと思う。つまり女の子は男の芸人の真似はしなかったし、エド・はるみは初めて学校で流行った女芸人だったのである。

 

小学校中学年:「ツツジ」「クワの実」

糖分補給。クワの実のほうが甘いし大きいしで割がいい。

 

小学校高学年:「テトリス

テトリスDSの通信対戦。男女問わず、固定されたグループや成績の差を超えて最大人数の10人ギリギリまで人員を集めた。ゲーム機がGBAからDSに代替わりしたことでケーブルを使わずに通信することが可能となり、ゲーム機が友達と遊ぶ道具に変わった。

 

小学校高学年:「MAD動画」

ほとんどはおそらくニコ動からYouTubeに転載されたものだった。テレビだけでなくインターネットからもネタを仕入れるようになった転換点。

 

中学校:「AKB」「AAA」「EXILE

声の大きい勢力が好きになったものは学年全体が好きになったものとして扱われる。そして卒業式の合唱曲に採用されたりする。

 

中学校:「ハーフパンツ」

声の大きい勢力に対する反抗意識とそれを共通点に繋がっている仲間意識のせいか、スカートを一度も短くしたことがない。そしてスカートの中には指定ジャージのハーフパンツを履くが裾からはみ出ることはない、というダメ押し。今思えばどれもこれもただの意地である。

 

高校:「LINE」

高校に入学したわたしたちはガラケーが現役だった最後の学年であったし、その頃はガラケーという言葉がまだ生まれていなかった。中学校から携帯電話を持っていた子はガラケー、高校入学時に携帯電話を手にした子はスマホ。先輩はガラケーが多数派で、後輩にガラケーの子は少なかった。1年生の頃にはクラス内の半分ほどだったのが、2年生では8割がクラスのLINEグループに参加するようになったことからもスマホの普及を感じた。3年生になるとメール派の子や機種変更せずにガラケーを使い続けている子はほんの2、3人になった。

 

高校「写真袋」

写真はLINEで共有できても、動画はそうはいかなかった。そこで写真袋。それなりの画質で大人数に動画が送れた。日常では写真を、行事では動画を撮ることが多かった。

 

高校「鯛焼き」

財布を持って登校する、つまり買い食いができるようになったのは高校生になってからである。時期によってスイーツ系からおかず系まで幅広い味の鯛焼きを売ってくれるお店が寄り道できる場所にありまして。夏はひんやり、冬ほかほか。うまい、安い、幸せ。

 

 

 

 

 

幼い頃は出会ったものすべてを好きになった。なにもかもがおもしろく感じられたのかもしれないし、好きだとか嫌いだとかいう判断がまだ発達していなかったのかもしれない。

その頃は情報源も限られていた。わたしは小学校中学年くらいまでテレビをほとんど見なかったので、それまでの情報源はもっぱら友人。それがテレビ、そしてインターネットへ。学校という小さな社会からどんどん大きな社会に視界が広がっていって、それをひとりで見つめるようになる。

成長するにつれて学年をまるごと巻き込むような大きな流行は起きなくなってくる。好みが多様化していったということであろう。似たようなものを好きな人たちがまとまり始める。自分しか知らない好きなものを抱えたりもする。

中学生になる頃にはもう流行なんてほとんどない。あるとすれば内輪のルールだ。学年は塊でなく層になる。

中学時代の素行によってだいたい同じ層のひとたちが同じ高校に振り分けられると、また流行のようなものが生まれるようになる。ただ、その尺度は好きとか嫌いではなくなって便利かどうかで決まるようになってくる。

高校生も過ぎると、まああとは一進一退というかんじで今に至る。

 

つい最近ハタチになって、もうこどもだなんて名乗るのは厳しくなってきたのが多少はなごりおしいけれど、こうして振り返ってみるとこどもにもいろいろあったんですねえなんて他人事に思ってしまうので、もうこどもじゃなくなったんだろうなと思う。

運転したくない

免許を取っています。明日卒検。……なんだけど運転が苦手すぎる。

 

鈍い。距離感がわからない。目移りする。たぶんこのへんがまずい。身体能力と集中力が欠けているのです。そうやって、自分の性質のなかから犯人探しをして、生まれつき能力が低いということにして許されようとしている自分がもし他人だったら許したくない。

 

努力が足りないんだろうか。でも自主練習がしたくてもできない。仮免は教習所で預かっているんだもの。こういう考えに至ったということは、もしかしてわたしってこれまで出来ないことがあったときは自主練習してきたんじゃないの?自分で思っているよりがんばってきたんじゃないの?と思えてそこはすこし好ましい。努力すれば偉いというものでもないけれど、わたしは努力するということに関して才能がない人間だと思って生きてきた。

 

運転しているとよく吐きそうになる。泣きそうなのを我慢するので吐きそうになる。わたしはけっこうすぐに泣きそうになる。でも我慢する。好きじゃない人が泣くのが好きじゃないから。好きな人が泣いていたら好きだと思うけれど。他人に対する苛立ちはしばしば、自分はしたくても我慢しているのになんで目の前のこの人は我慢していないんだ、という極めて身勝手な怒りなのでやり場がない。やり場がないのでおもてに出さない。でも無言で叫ぶ。他人の行為で苛立ったときに堂々と無言で叫ぶために、わたしは同じ行為をしないように自分を制限する。

 

自力で好きなときに好きな場所に行きたい。あと免許証も使いたい。でも運転はしたくない。人を殺すかもしれない鉄塊を操縦するのがつらい。あなたは事故を起こしやすい傾向にありますと言われたのを留めながら運転するのがつらい。自分の能力が低いのをまざまざと見せつけられるのもつらい。運転することで自分の醜い面が次々とあらわになってつらい。交通網が発達している町に住みたい。

 

2018年某日 追記: 運転めちゃくちゃ楽しい。

オトトキ (Vibration)

「オトトキ」を観た。THE YELLOW MONKEYというバンドが"再集結"した1年を描くドキュメンタリー映画である。

 

ドラマチックに生まれてドラマチックに消えたバンドが再び立ち上がった、ということは特に映画の主軸ではなかったし、もっと言えば彼らがロックスターであることも結果論でしかない。4人がどういう人間なのか。たまたま彼らがそれを音楽というものに吐き出しているだけにすぎなかった。

  

テーマは家族です。舞台挨拶やらコメント収録やらで吉井和哉がそう云うのを公開前に何度か聞いた。血縁に固執しているんだろうか、と少し彼との距離を感じた。血が繋がっているから愛しくなるの?血が繋がっていたら愛しく思わなくちゃいけないの?

映画を観た。テーマは家族だった。

 

実際に家族について語られる部分もあるが単にそれだけではない。全篇にわたって描かれるのはなにかが失われたときにどう補い合うか。彼らだって歳をとればなにかを失うこともある。それでも4人はステージに立つ。その裏での顔つき。振る舞い。ことば。

家族は替えがきかない。なにか起こってもどうにか埋め合わせて駆け抜けなければいけない。

 

バンドがこうやって帰ってきたことで、「解散という名の活動です」なんていうのも本当になった。あの4人は替えがきかない。

その業や因縁を吉井和哉は血と呼ぶのかもしれない。血が繋がっているから愛しいのではなく、愛しいときにはすでに血が泣いているのだ。

 

「君と僕は過去と未来よりも強く強く結ばれて未来永劫に出会い続ける*1」少なくとも照れながら言ったあのとき、きっと「君」はメンバーのことだった。

特に初期のイエローモンキーは内向的だとしばしば評された。あの頃のパフォーマンスは自己へ向かう意識を外側にぶちまけるようだった。最近の彼らは、メンバー同士で見つめ合い、笑い合い、バンドの内側に向かうエネルギーが客席を巻き込んで竜巻のようにのぼってゆく。内向きは内向きでも、その力が向かう方向は他人ではないけれども自分でもない身内、すなわち家族だ。エネルギーの塊となったバンドのバイブレーションに、わたしたちは共振する。

*1:青木景子「遠い天の果てで」からの引用