もろもろ帖

好き勝手

運転したくない

免許を取っています。明日卒検。……なんだけど運転が苦手すぎる。

 

鈍い。距離感がわからない。目移りする。たぶんこのへんがまずい。身体能力と集中力が欠けているのです。そうやって、自分の性質のなかから犯人探しをして、生まれつき能力が低いということにして許されようとしている自分がもし他人だったら許したくない。

 

努力が足りないんだろうか。でも自主練習がしたくてもできない。仮免は教習所で預かっているんだもの。こういう考えに至ったということは、もしかしてわたしってこれまで出来ないことがあったときは自主練習してきたんじゃないの?自分で思っているよりがんばってきたんじゃないの?と思えてそこはすこし好ましい。努力すれば偉いというものでもないけれど、わたしは努力するということに関して才能がない人間だと思って生きてきた。

 

運転しているとよく吐きそうになる。泣きそうなのを我慢するので吐きそうになる。わたしはけっこうすぐに泣きそうになる。でも我慢する。好きじゃない人が泣くのが好きじゃないから。好きな人が泣いていたら好きだと思うけれど。他人に対する苛立ちはしばしば、自分はしたくても我慢しているのになんで目の前のこの人は我慢していないんだ、という極めて身勝手な怒りなのでやり場がない。やり場がないのでおもてに出さない。でも無言で叫ぶ。他人の行為で苛立ったときに堂々と無言で叫ぶために、わたしは同じ行為をしないように自分を制限する。

 

自力で好きなときに好きな場所に行きたい。あと免許証も使いたい。でも運転はしたくない。人を殺すかもしれない鉄塊を操縦するのがつらい。あなたは事故を起こしやすい傾向にありますと言われたのを留めながら運転するのがつらい。自分の能力が低いのをまざまざと見せつけられるのもつらい。運転することで自分の醜い面が次々とあらわになってつらい。交通網が発達している町に住みたい。

 

2018年某日 追記: 運転めちゃくちゃ楽しい。